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記事一覧

倖せの人 ユノの物語 87

「愛している」ロウンのそのひと言に、ユノの黒い瞳がふるりと揺れて、涙に濡れた睫毛が大きく瞬いた。「ずっと私のそばにいてくれ」続くその言葉と力強い抱擁に、ユノは漸くその意味を悟った。「ロウン様……」小さく名を呼んでロウンの胸に顔を埋めた。それまでの興奮と緊張の糸がプツンと切れて、それと入れ替わりに、腹の底のほうからじわりと熱の塊が競り上がってくる。ロウンの口から発せられた『愛している』の言葉に、自分が...

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倖せの人 ユノの物語 86

ユノが風呂から上がると、ロウンはすでに自室に戻ったのか、居間にも食堂にも姿はなかった。厨房で湯呑み1杯の水を一息に飲み干して、「ふう」と息を吐く。昼間ミンヒョン相手に久しぶりに身体を動かしたおかげで、心地よい疲労感に身体も心も満ち足りて、いつもより長湯をした。ゆっくり温まった身体を洗い立ての下着と寝間着に包んで、ユノはロウンの部屋の扉を叩いた。ロウンの返事を待って扉を開けると、ロウンは文机に向かい...

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倖せの人 ユノの物語 85

ハン家の食堂では、賑やかな昼食を終えて皆のんびりと食後のひとときを楽しんでいた。ロウンとウソン親方はヨンスクも交えて、ゆっくりとお茶を飲みながら世間話に興じていた。「ね、ミンヒョン。少しつき合ってくれないか?」窓辺に立って外を眺めていたミンヒョンに、食器の後片付けを済ませたユノが寄ってきて声をかけた。「え、何を?」「この頃運動不足なんだ」「え、え…ちょっと……!」ユノはミンヒョンの腕を取ると、引っ張...

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倖せの人 ユノの物語 84

ミンヒョンは食卓の椅子に座って、流し台に並んで立つユノと祖母のヨンスクの後ろ姿を眺めた。ヨンスクはとうに還暦を過ぎているはずだが、歳のわりには元気で姿勢もしゃんとしている。しかし男の中でも長身の部類のユノの隣に立つと、随分と小さく見える。二人はお喋りをしながら昼食の準備の真っ最中だった。手早く野菜を切るヨンスクの横で、ユノは浅鍋の中身を木べらでかき混ぜている。ユノは高い背を少し屈めて、ヨンスクに顔...

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倖せの人 ユノの物語 83

ロウンはいつもと変わらぬ時間に目覚めた。既に隣にユノはいない。身仕度をすませて食堂へ行くと、「ロウン様、おはようございます!」すぐにユノが爽やかな笑顔で厨房から走り出てきた。「おはようユノ。ヨンスクさん」「おはようございます。すぐに朝食を」ヨンスクが答えると、ユノはすぐに厨房へとって返し、汁椀とご飯を用意し始めた。ヨンスクはロウンの前に湯呑みを置きながら、「このところ、ユノさんの顔色が良くなって、...

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プロフィール

Black Pearl

Author:Black Pearl
はじめまして。BlackPearlと申します。東方神起のふたりが大好きで、大好きで、久しぶりに書き始めました。心ときめく日々を与えてくれるふたりに感謝💕この想いを共有してくださる方、よろしくお願いいたします。