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倖せの人 ユノの物語 108

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倖せの人 ユノの物語 107

「ロウン様、ちょっとよろしいですか?」扉を薄く開いて、ユノは部屋のなかを伺った。ロウンは寝台の上で身体を起こし、背中を背凭れにあずけて座っていた。「ユノか。どうした?」優しい声で答え微笑む。ユノは部屋に入り、ロウンの傍らに立った。「月末ですので今月分の収支をまとめました。間違いがないか眼を通していただけますか?」そう言って厚い帳簿を開いてロウンの布団を掛けた足の上に差し出した。「ああ、もう月末か……...

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倖せの人 ユノの物語 106

「ロウン様、今日はお疲れでしょう。早めにおやすみになってください」ユノはそう言いながら、ロウンの身体を支えて寝台にゆっくりと横たえた。自分は寝台の端に腰を下ろし、ロウンの身体に毛布をかける。「ありがとうユノ。大丈夫だよ。今日は本当に気分がよい」ロウンは笑みを浮かべて答え、ユノの手をそっと握った。ユノも両手で包むように握り返す。「とうとうロウン様はやり遂げられましたね。本当に……お疲れさまでした」労う...

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倖せの人 ユノの物語 105

季節は巡り、山深いソンサンの街にも春が訪れた。緑濃い松や檜の山々に、所々山桜の淡いピンクが煙り、ロウンの家の裏庭では色鮮やかな八重桜が零れんばかりに咲き誇っていた。ロウンは店の仕事のかたわら、街の伝統産業である家具作りに関わる人々を集め、度々会合を重ねていた。ロウン一族が代々護ってきたソンサンの山林を手放し、街の共有財産として末代まで残すための大切な話し合いだ。それぞれの立場や思惑もあり、なかなか...

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倖せの人 ユノの物語 104

「ミンヒョン、ちょっと」ウソン親方に呼ばれて、ミンヒョンは仕事の手を止めて作業室に向かった。「使いをたのむ」そう言ってウソン親方は風呂敷包みを差し出した。「これをロウンに届けてくれ。ロウンかユノに、俺からだと言って手渡すだけでいい」中身は見なくてもわかった。あの夜親方が彫っていた張型が仕上がったのだ。「……わかりました」ミンヒョンは表情も変えずそれだけ答えると、包みを受け取った。「仕上がり、見てみる...

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プロフィール

Black Pearl

Author:Black Pearl
はじめまして。BlackPearlと申します。東方神起のふたりが大好きで、大好きで、久しぶりに書き始めました。心ときめく日々を与えてくれるふたりに感謝💕この想いを共有してくださる方、よろしくお願いいたします。